メンタル限界ADHD人間のなんでもごちゃまぜ日記

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サイコパスになれ! 病院経営シミュレーション Project Hospital 感想

メンタル限界人間のChoromeです。

就職が決まったことで完全に気が抜けて夜更かしからの寝坊をかましまくっています。

 

 

 

「ハァ!? 何言っても薬出すだけじゃねーかよ しかもぜんぜん効かねぇし! このヤブ医者がよぉ!」

通院をしている方なら誰しも一度は思ったことがあるのではないだろうか。

風邪などでめちゃくちゃしんどいのにとてもマイルドな薬のみを処方され、なんのために病院まで足を運んだのかわからなくなった方もいらっしゃるかもしれない。

わざわざ予約までして片道1時間以上かけて来たにも関わらず、流れ作業のようにウルトラマンの戦闘より短い時間で診察を終えられてしまったときの虚しさは筆舌に尽くしがたい。

医者というものはなぜこうも冷徹なのか。

常にセカンドオピニオンという選択肢が頭をもたげる。

 

だがみなさまは病院側の立場になって考えたことがあるだろうか。

医者が診なければならないのはあなた1人だけではない。

その後ろには別の患者たちが列をなして診察を待っている。

疾患を特定するための検査にも時間がかかるし技師や看護師も必要だ。

重篤な病気なら大病院へ紹介状を書かなければならないかもしれない。

忙しすぎててんてこまいだ。

 

そんな医者の気持ちになれる、病院経営シミュレーションゲームが Project Hospitalである。

Project Hospitalでは敏腕経営者(兼医者)となり、数多の患者を治療しながら病院の発展を目指していく。

 

 

いいところ

1. 建築要素が豊富

2. あらゆる病気やケガが登場し知識を深められる

3. 医療従事者の気持ちになれる

 

1. 建築要素が豊富

Project Hospitalでは病院の建物を造るところから始めることができる。

大きさを決め、壁で囲い、部屋を区切ってドアや窓を設置したり、診察室の検査台や待合室のソファーなどそれぞれに必要な設備を置く位置も自由に決められる。

自分の部屋を模様替えするような感覚で好きに建物のレイアウトを決めることができ、選択できる壁やドアの種類も多く、自由度の高い建築ができる。

 

ここに医者が座る背もたれつきの椅子を置いて、その正面に患者が座る丸椅子を設置しようと意気込んで作ったのに、なぜかただのインテリアとして診察室の隅っこに置いた椅子のほうに医者が座ってしまい、患者はその目の前で棒立ちで診察を受けているという予想外の事態が発生することもあるが、まぁそれもご愛嬌である。

 

なんでわざわざ椅子とデスクトップPCとプリンターをセットで置いてるのに、端に設置したノートPCのほうを使うんだテメェは?

 

診察室には処方箋などを印刷するプリンターが必要であり、医者の定位置と離れたところに置いてしまうと、診察のたびに医者が立ち上がってプリンターまで歩き、印刷した紙を持って戻ってくるという作業を毎回繰り返すため、非常に効率が悪くなる。

どこに何を設置するかによって作業の効率が変わるので、最高効率を目指して機材や部屋の設置位置を試行錯誤したくなるのも効率厨の悲しき性である。

 

2. あらゆる病気やケガが登場し知識を深められる

人類の歴史は病気との戦いと言っても過言ではない。

健康とは永遠のテーマなのである。

このゲームにはありとあらゆる疾患が登場する。

インフルエンザや花粉症といった一般人にもなじみ深いものから、全身性エリテマトーデスなどの なんじゃそりゃ? と言いたくなるような難病・奇病も登場する。

ありがたいことに表示された病名にマウスカーソルを合わせると、その病気に関する説明が読めるため、病気やケガへの理解を深めることができる。

ゲームをプレイするだけで "ちょっと医学かじってます" 感を醸し出せる。

 

 

3. 医療従事者の気持ちになれる

医療業界は慢性的な人手不足である。

特にこのコロナ禍においてはマンパワーが確保できず、感染者が自宅療養を強いられるケースが後を絶たない。

 

このゲームではまず救急科(日本でいうところの一般診療)を開設することになり、設備を整え人員を配置すると自動的に病院としてオープンする。

するとどうであろう。

まるで待ち構えていたかのように初日から患者がわんさかと訪れる。

駐車場すらないチンケな個人病院であることなどおかまいなしに、次から次へと流れ込んでくる。

いや、うちには医者が1人しかいないんですが。そんなに面倒見られません。

だがそういった悲痛な叫びは患者には聞こえない。

待合室のソファーはすでに埋まっており、立って順番待ちをしている者もいる。

とりあえず診察する。

多い。多すぎる。

診れども診れども終わらない。

気が遠くなってくる。

そしていつかあなたは画面に向かってこう叫ぶだろう。

「風邪くらいで病院に来るんじゃねーよ!!!!!」

人手がたりないことにより、どのようにブラックな労働環境になっていくのか、その様子を見せつけられる。

※診察はAIに任せることもできる。というかそうしないと忙しすぎて死ぬ。プレイヤーが。

 

そして患者は総じてワガママである。

風邪や花粉症ならすぐに確定診断ができるものの、なかには精密検査を必要とする患者もいる。

だがここは離島ばりにショボい小さな病院である。

まともな設備などない。

CT? MRI? 血液検査? なんですかそれは?

問診だけではなんの病気なのか診断ができないため、他の病院で再度受診するように勧めてみる。

すると "あの病院の医者は役に立たない" 的なクチコミをGoogleに書き込んでいるのかどうかは知らないが、病院の評判が下がる。

舌打ちをしながら 「文句あるなら大病院に行けや」と悪態をつくまでがセットである。

 

病院も慈善事業ではないので利益を上げなければならない。

病院の評判が悪いと訪れる患者数が減り、収益が落ちる。

金がないと設備を拡張しようにもできない。

十分な設備がない→正しい診断ができない→評判が下がる→患者が減る→金がない→設備を整えられない→十分な設備がない→正しい診断ができない...のループに陥りそうになる。

 

ない袖を強引に振りつつ、放射線科を設置してみる。

X線検査ができるようになり、以前よりは診断できる病気の数が増えた。

診察を受けに来る人の数も増加し、なんとか収益はプラスに。

調子に乗って循環器科神経内科も開設。

どんどん患者が増える。

儲けがでてきて経営者的にはニンマリだが、過酷な労働環境となった現場からは悲鳴が上がる。

医者は過剰な負荷に対して不満を抱き始め、長い待ち時間にキレた患者が怒りの帰宅。

スタッフと患者の板挟みに遭い、またしても病院の評判は下降気味に。

完全にリアル医療現場の再現である。

 

なぜ流れ作業のようにあっさり診察を終えられてしまうのか、なぜ病院の待ち時間はあんなに長いのか。

経営者の立場になって初めて、その理由が痛感できるのである。

 

 

気になったところ

1. 建築モードのユーザビリティが低い

2. 一部要素の解放条件がわかりづらい

 

1. 建築モードのユーザビリティが低い

最初に病院を開くための救急科を作ったり、新しく診療科を増設するときなどは建築モードに切り替えて病院内に部屋を作成していく。

 

診療科として機能するためには以下の条件がある。

1. ある程度のスペースが確保されていること

2. その科に必要な最低限の設備が整っていること

3. 日勤か夜勤のどちらかに医者や看護師、技師などの人員が配置されていること

4. 壁で囲う場合はドアを設置し部屋の中にアクセスできるようにすること

 

問題は2と4である。

 

PCや検査台など絶対に必要な設備はアイテム選択画面においてオレンジ色でハイライトされるのだが、表示上は必須でなくても実質的に設置しないといけないものがあり、それがわかりづらくなっている。

たとえばPCはどの診療科でも必須だが、床に直置きはできず、机を用意する必要があるので事実上、机も必ず置かなければいけないアイテムとなるのだが、ゲーム内では必須ではなく "あれば望ましい設備" として表示される。

さらに机の上にPCを置いてもそれだけでは機能せず、PCの前に椅子を置かなければならないが、その椅子も必須アイテムとして表示されていない。

結果、"必須と表示されているものをすべて配置したのに機能しない" という現象が起こりがちである。

チュートリアルで説明される内容と実際の仕様が異なるので、この点は誤解を招きやすく快適なプレイを妨げる要因になっていると感じた。

 

4は当然といえば当然なのだが、慣れるまでは壁で囲ったあとにドアを付け忘れるというやらかしをしがちな人にとっては不親切と言える。

ドアがないと "アクセスできません" というエラーメッセージが表示されるが、その表示場所が現在造っている部屋の床であり、文字サイズが小さいのでかなりズームしないと気づかない。

よって "なぜ建築を進められないのかがわからない" という状況になってしまうことがある。

エラーメッセージはもう少しわかりやすく表示すべきであるように感じる。

マイナーゲームなのでwikiなどの攻略サイトも存在せず、ゲーム内の情報のみでトラブルシューティングを行わなければならないため、これらが不親切なのはいただけない。

 

2. 一部要素の解放条件がわかりづらい

入院や救急車など特定の条件を満たすことで解放される要素がいくつかあるが、その条件がわかりづらくなっている。

例えば、達成するとお金が大量にもらえるミッションの1つとして救急車を購入するというものがあるが、普通に買おうとしても "今は選択できません" といったメッセージが出るだけで、なぜできないのか、どうすれば救急車を買えるようになるのかが明確にされていない。

アウトプットに対してNGを出すのにも関わらず、なぜダメなのかといった理由のところは一切教えてくれない理不尽な上司のようである。

 

 

 

人手不足、ショボい設備、ワガママな患者などあらゆる要素に頭を悩ませつつも少しずつ大きくなっていく病院を眺めているのは楽しい。

難易度も難しすぎず易しすぎずといった絶妙なバランスで、経営シミュレーション初心者から上級者まで幅広く楽しめる。

DLCやMODも豊富なので末永く遊べる1本。

エラーメッセージの内容がわかりづらく自力で解決するのに時間を要する場合があるため、その点が改善されれば万人に勧めたいゲーム。

サイコパスになって患者から金を搾り取り、ブラックな環境で馬車馬のごとくスタッフを働かせよう。

 

 

 

まとめ

経営者には冷酷さが必要